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井口 正; 榊 勲*; 岩村 公道; 秋本 肇; 大久保 努; 大貫 晃; 安達 公道*; 村尾 良夫
JAERI-M 91-172, 154 Pages, 1991/10
複合注水型ECCSを備えたPWRのLOCA時に重要な、炉心と上部プレナムとの境界における対向流制御(CCFL)現象を解明するために、平板第3次試験装置(SCTF-III)により試験を行った。試験では炉心に蒸気を注入して上昇蒸気流を形成し、上部プレナムに注水してCCFLを起こさせた。試験の結果、大規模の実半径炉心では、上部プレナムから炉心への落水は一様ではなく局所的に生じ、他の領域を蒸気が集中して上昇することが分かった。また、落水は上部プレナム内の水温の低い位置で生じ、落水面積は蒸気流量の減少に伴い増加した。典型的なPWRの条件に対しては、落水面積比は約20%だった。このときの落水流量は、小規模試験結果と同様に低水温ほどまた小蒸気流量ほど増加するものの、その値は落水と上昇蒸気の領域分離のため小規模試験結果からの予測値に比べて約10倍になることが分かった。
傍島 真; 安達 公道; 岩村 公道; 大貫 晃
Proc.2nd Int.Topical Meeting on Nuclear Power Plant Thermal Hydraulics and Operations, p.2 - 129, 1986/00
平板炉心試験で通常観測される上部プレナム蓄水頭不均一に関し、その生成が落下水流量および炉心冷却の分布に及ぼす影響について個別に調べた。炉心部に上昇蒸気流を形成させて各バンドル上に一様に注水した。炉心には発熱を500Kw/バンドルで与えた場合と、発熱なしの場合とを試験し、落下冷却の分布と上部プレナム蓄水位分布の関係を評価した。蓄水頭の高い位置の下方のバンドルでは冷却がよく、落下流量も多くなることが、モデルをバンドル毎に適用することによって示された。また落下流量の多くの評価されたバンドルでは、蒸気発生量も相対的に多かった。注入水温が未飽和の場合には、局所的な未飽和水の落下があり、モデル計算よりも多い落下流量となったが、飽和水の場合は総落下流量の計算値と測定値はほぼ一致した。
岩村 公道; 安達 公道
Journal of Nuclear Science and Technology, 22(6), p.451 - 460, 1985/00
被引用回数:1 パーセンタイル:24.15(Nuclear Science & Technology)複合注入方式下でのPWR-LOCA時再冠水開始前後の炉心熱水力挙動を、PWRの半径を模擬した平板炉心試験装置(SCTF)を用いて3回の試験を行うことにより、実験的に調べた。ECC水は上部プレナムと健全コールドレグに同時に注入された。上部プレナム注入水のサブクール度と半径方向分布を試験パラメータとした。底からの再冠水開始前にフォールバック水により炉心は冷却された。しかしながら最終的なクエンチは底からの再冠水によりなされた。再冠水開始以前に下部プレナム水位は3つの場合で異なる挙動を示した。すなわち、下部プレナム水位が急速に増加する場合,ゆっくり増加する場合,および炉心バレル下端以下に留まる場合があった。サブクール水を大量に上部プレナムに注入し、下部プレナムから蒸気が流出する条件下でも、連続的なフォールバックは観察されず、サブクール水は蒸気上昇流により間欠的に支持された。
岩村 公道; 傍島 真; 阿部 豊; 安達 公道; 大貫 晃; 刑部 真弘
JAERI-M 84-221, 151 Pages, 1984/12
PWR-LOCA時再冠水過程において、ECC水を健全コールドレグと上部プレナムに同時に注入した場合の炉心熱水力挙動を調べるため、平板炉心試験装置を用いて、飽和水および67Kサブクール水を上部プレナムに注入する試験S1-SH3およびS1-SH4を実施し、以下の知見を得た。(1)上部プレナム注入量が多い間は、炉心への落下水による冷却が見られたが、本格的な冷却は下部からの昇水開始時に行われる。(2)上部プレナムにサブクール水を注入し、下部プレナムからダウンカマに上記が流出できる条件下でも、サブクール水の連続的落下は起らず、落下水の蒸発による上向き上気流量の急増により落下が制限された。(3)炉心下端再冠水開始前には、落下水の蒸発により発生する上記の圧力上昇効果のため、下部プレナム水位の上昇がおさえられ、下からの炉心冠水が遅れる現象が認められた。